1 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:31:13 ID:9GPM1Qwh.net
たった一人でも構わないから誰かに聞いてほしい話があるんだ。

この場をお借りします。


2 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:33:25 ID:9GPM1Qwh.net
僕はしがないサラリーマン
年齢は30歳前後
趣味はギターやらベースやら

といってももうバンドはやっていない

そんな僕が巻き込まれた事件(?)について聞いて欲しいんだ。

殆ど出来事をそのまま書くから冗長になってしまうと思いますが、ご勘弁下さい。

15年ほど前のお話です。
4 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:36:38 ID:m5LPcs/i.net
身長体重は?
6 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:37:46 ID:9GPM1Qwh.net
>>4
僕ですかね
当時は178センチ
体重は70くらいだったかな

今はデブりました
7 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:38:09 ID:9GPM1Qwh.net
家からは自転車で登校
40分くらいかな
すごく急な坂が2つほど
行きは下りで快適なんだよね


そんな通学路の桜の花もほぼ葉桜になってしまったくらいの時期に部活動の登録期間が始まった。

たくさん勧誘をされたけど、当然選んだのは軽音楽部だったんだ。
8 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:40:04 ID:9GPM1Qwh.net
この学校では入部日が明確に決まっていて、1年生はこの入部日に入部希望の部活の活動場所に行って入部登録をするんだよ

僕は入部日に軽音楽部の活動場所である視聴覚準備室に行ったんだ
ちなみに音楽室は吹奏楽部が牛耳っていて軽音楽部はクーラーもろくに効かない狭い部屋に押し込められる形になっていた。

この日僕は人生の中でも重要な出会いをしたんだ。
9 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:42:26 ID:9GPM1Qwh.net
部屋を見渡すと、いや見渡すと言ってもすげーせまいんだけど、部屋にはまだ自分だけ。気合入れすぎたんだろうね

目の前には立派なドラムセットとしょぼいアンプたち
あとで分かったんだけど、ドラムは顧問の先生の私物だったんだ。

そんな状況でどんな人が来るのか
緊張で息をつまらせていた。
10 :滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:42:28 ID:Y6/o0Q8k.net
見てるぞ
11 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:43:05 ID:9GPM1Qwh.net
>>10
正直超嬉しい
12 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:45:15 ID:9GPM1Qwh.net
僕はあまり素直な性格じゃないのか厨二病の名残なのか

一つしかない入り口のドアがノックされてすりガラスの向こうに女の子の影が見えたとき、こんな風に思った

この子がまるで漫画みたいに美人である確率は極めて低いし僕はバンドがしたくてこの場所にいるんだ。男臭いロックをガッツリやりたいんだ。女子供は来なくても良いんだって。


扉が空いた瞬間
そんなロック気取りの人格はまさしく雲散霧消した。
脳内にお花畑が展開したような気分だったんだよ。
13 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:48:01 ID:9GPM1Qwh.net
扉の向こうには僕の女性の理想像を具現化した様な女の子が立っていた

ちなみに僕の理想のタイプは全盛期のウィノナライダーでこれは今でも変わらない。(僕より若い世代の子たちは知らない人も多いと思うけど、黒髪ショートの頃のウィノナライダーは本当に美しい。画像貼れたかな)

このウィノナ似の彼女が僕を事件に巻き込む重要なファクターなのだ。以降分かりやすくウィノナちゃんと呼称することにする。

15 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 09:49:49 ID:9GPM1Qwh.net
それまでの僕は恥ずかしい話だけど所謂“ロックかぶれ少年”って感じで

・給食の放送にゴリゴリのメタルを流す
・ボロボロのほぼ横糸だけのジーンズで修学旅行に行く
・北斗の拳の雑魚キャラみたいなモヒカンにする

なんてことをかっこいいと思っていた。
そのくせ、両親が割りと厳格だったせいか
ルールをむやみに破るのはロックじゃねぇという中途半端っぷりで

髪型はミスフィッツなのに服装はこの上なくスタンダードな学ランなんていう今思えば逆にロックなんじゃねえかって格好で街を歩いたり、まぁ簡単に言えば黒歴史真っ只中だったんだよね。
19 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:00:48 ID:9GPM1Qwh.net
色恋沙汰もロックじゃねぇって拒絶していたんだけど、このウィノナちゃんと目があった瞬間にそんなポリシーは忘れてしまった。

この時は別に校則違反じゃないしと頭頂部を境にちょうど半分の髪を全部剃り落としてしまっていて、なんでそんな引かれそうなことをしたのか本当に後悔した。

話がそれちゃったね。
兎に角、他の入部希望者が集まるまでの、恐らく10分に満たない時間

僕はウィノナちゃんと狭い部屋で二人っきりになったわけだ。
僕の頭の中ではガンズのSweet Child O’ Mineが流れていた。
20 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:03:14 ID:9GPM1Qwh.net
まぁMineでもなんでもないんだけどね
彼女を自分の物にしたいって気持ちで頭が一杯になったんだ。

その短い時間で色々な事を聞き出した。
・もちろん名前やクラス、基本情報各種
・家は僕の家から学校を挟んで反対側で40分くらいかかること
・パートはギター希望でお父さんが昔使っていたチェリーサンバーストのレスポール(当時まだ放映はされてないけど所謂けいおんの唯ちゃんのギターだね)
・たまたまそのギターがあったから軽い気持ちで軽音楽部に入部してみたいと思ったこと
覚えている聞き出したことはこれくらいだ。

あくまで平静を装って
でも鼓動は恐らくナパームデスですら軽く凌駕するレベルのビートを叩き出していた。
23 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:07:12 ID:9GPM1Qwh.net
全く周りが見えてなかった僕が我に返った時
視聴覚準備室には男女各4人
8人の入部希望者が集まっていた。

例年よりは少ないらしい。

たまたま希望パートも重ならなかったので、そのまま男4人組と女4人組の2つのバンドが出来上がる形となった。

彼らは後の事件に少なからず関わるので全員仮名で紹介しておくね。
24 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:07:45 ID:9GPM1Qwh.net
男バンドのメンバー
平山:ボーカル 中性的な顔立ちで間違いなく女子にモテそう。若干コミュ症
飯田:ベース リーダー 漢らしい奴でベースも上手だが、若干暴走する節がある。ブス専
石原:ドラム 努力家、天然パーマ、ムードメイカー
僕:ギター バンドの中ではルックスは一番パッとしなかったと思う

彼らとはもう10年以上の仲だが未だに仲良しだ。
25 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:08:42 ID:9GPM1Qwh.net
女バンドメンバー
アユ:ボーカル 見た目はなんかケバい。僕は個人的にあまり好きではないタイプ
サユミ:ベース 見た目は地味 なんかいい子
マンドリル:ドラム 見た目はマンドリル 僕と同じ中学で知り合い 面倒見がいいタイプ
ウィノナ:ギター 例の彼女


こんな感じで1学年で2バンドが出来上がったんだ。
26 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:08:54 ID:DBxHMUhi.net
私物のドラムが木になる
YD9000?
ソナー?
しかしそんな時代によく軽音部とかあったね
28 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:13:04 ID:9GPM1Qwh.net
>>26
僕はドラムじゃなかったからあんまり覚えてなかったけど顧問の先生はガチのメタラーでドリーム・シアターとかフィアファクトリーをガンガン叩いていたよ。

確かバスドラ、タムあたりはタマ
シンバル類はパイステ、チャイナとかスプラッシュもあった
ペダルはDWのツインペダルだったね

スネアは先生のやつはメインはラディックだったような、、、

いっぱいスネアは持ってたね
27 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:09:53 ID:x9kXZzrp.net
art-school好き?
29 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:14:28 ID:9GPM1Qwh.net
>>27
好きだよ!!
バンドというよりひなっちが好きだね
30 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:15:01 ID:9GPM1Qwh.net
入部日にうまくバンドメンバーも決まった事でその日は解散
僕はバンドメンバー4人で学校からほど近いマクドナルドに行った
恐らく女の子の方も同じ様な流れだったんだろう。

マクドナルドではドラムの石原がハンバーガーをナゲットソースにディップして食べていたことが印象に残っている。

とまぁ、これが僕の青春と事件の始まりだったわけだ。
32 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:16:10 ID:DBxHMUhi.net
>>28
さんくす!
なんて恵まれたガッコーなんだ
34 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:20:39 ID:9GPM1Qwh.net
>>32
ドラムはすごかったよ。
無料で使わせてくれるなんてホント恵まれていたし、ドラムの子たちは先生に色々教えられていたね。
先生自身はモーラー奏法を習ってたよ。

その分アンプはしょぼかったねぇ。
ヤマハのちっさいやつ。ドラムに勝てないからアンプは家から持ち込んでたよ。
自転車の荷台にマーシャルくくりつけて、ギター背負って学校行ってた。

若いから出来たと思うね。
36 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:22:07 ID:9GPM1Qwh.net
軽音楽部の活動は専ら平々凡々たるもので、それなりにウケの良さそうなバンドの曲をコピーする程度だった。
自分のバンドといえば、ボーカル平山のルックスを生かそうとL’Arc~en~Cielをやってみたり、
いや洋楽の方がかっこいいとニルヴァーナをやってみたり、
いや流行に乗るべきだとメロコアバンドを目指したり、
兎にも角にも中途半端だったが、僕以外のメンバーが割と端正な顔立ちだったせいかライブをしてもそれなりの評判を得たりはしていた。

女の子達も同様にアヴリルラヴィーンなんかの当時流行のロックかポップスあたりをやっていた様に思う。
35 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:21:00 ID:hjsUIy+A.net
微力ながら、後方より支援致します。
全力で投下よろしくお願い致します。
38 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:23:14 ID:9GPM1Qwh.net
>>35
わお、ホントに嬉しいよ!!
実際、大した話じゃないからがっかりさせてしまったらごめんなさいね?
37 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:22:53 ID:HIxJoGyY.net
ふむふむ
39 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:24:50 ID:9GPM1Qwh.net
>>37
なんか2chってスレ立てるの初めてで
こんなにちゃんと聞いてもらえると思ってなくてびっくりだよ
40 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:25:22 ID:9GPM1Qwh.net
実際はウィノナちゃん以外何も見ていなかったから記憶は定かではない。お世辞にも上手いとは言えない、いや聴くに耐えない演奏も僕にとってはそれがより彼女の可愛らしさを引き立たせた。

まぁあれだ。一面に広がるうんこの中に一輪の美しい花が咲いてるみたいなもんだ。
42 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:26:23 ID:9GPM1Qwh.net
季節は進む。
外気温の上昇に比例して僕の気持ちも増すばかりだった7月
とある転機が僕に訪れた。

テストも終わり初めての高校の終業式が目前に迫ったうだるような暑さのとある日
この日は授業がお昼に終わったんだ。

僕は母が弁当を間違えて作ったばかりに、いつもの練習場、視聴覚準備室でそれを食べてついでにと個人練習に勤しんでいた。

1時間くらいしただろうか。
入り口のすりガラス越しに人影があった。
41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:25:52 ID:DBxHMUhi.net
モーラー習ってるセンセから手ほどき受けれるとか理想だね!
しかしそこまでしてくれるのならアンプにもも少しお金使って欲しかったねw
43 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:28:05 ID:9GPM1Qwh.net
>>41
そうだね。ドラムは先生も家では練習できないから、先生も練習場が欲しくてちょうど良かったんだろうね。

学校からは毎年1万円、部活費用が出てたよ!!
もちろん足りなかったから少しだけ部費を集めてたと思う、
44 :滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:30:38 ID:QWxwVXNX.net
やっとここからだな、
45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:31:29 ID:9GPM1Qwh.net
>>44
うん
多分書きながら思ったけど
なげえなこの話
46 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:32:00 ID:9GPM1Qwh.net
なかなか扉を開けようとしないその人影がウィノナちゃんだったらばと全身全霊で祈りつつ、その手を止めたんだ。

扉が開いたその刹那
僕は神に感謝した。
もちろん例のウィノナちゃんだったからだ。
ちなみに確かこの時僕が練習していたのはギター大明神の一人、ジミ・ヘンドリックスだったと思う。

喜びの余り、ジミよろしく歯でギターを弾きたいくらいの衝動だったが、それを見られたらギター大明神のご利益も吹っ飛ぶドン引きが容易に想像されたのでやめておいた。
47 :滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:32:38 ID:QWxwVXNX.net
ウィノナとのやり取りをメインに書け、後はサラリと
48 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:34:49 ID:9GPM1Qwh.net
>>47
そうだねー
気を付けるよ!!
49 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:35:50 ID:9GPM1Qwh.net
ウィノナちゃんおはよう
ジャーーーーン(何かしらコードを鳴らして変顔)

今思い返しても真夏の日差しも陰る寒さであるが、彼女は屈託の無い笑顔でこんにちわと返しえくれた。

要件を聞くとどうやらギターを教えて欲しいとのこと。
千載、いや万載一遇の幸運に思わずギターを床に叩き付けてHell yeah!!とでも叫びそうになったが、そこは冷静を装って僕でいいの?そんなに上手じゃないよと聞き返したんだ。

彼女は私よりは確実に上手じゃない?とまた屈託のない顔で笑った

今思えばそんなことよりもクーラーのない真夏の部屋で汗だくの男によく話しかける気になったなぁと思う。
50 :滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:37:14 ID:QWxwVXNX.net
母ちゃんの間違いに感謝だな
51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:40:14 ID:9GPM1Qwh.net
>>50
うん。確か箸入れ忘れてたけどな。
おかんってのはいつでもありがたいもんだよな。
52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:41:11 ID:9GPM1Qwh.net
じゃあとりあえず今日は1時間くらい練習しようかと早速ギターをアンプに繋いで音を鳴らした。

ホントは手取り足取り教えたいのは山々だが、もちろんそこは一定の距離を取った。きっと自分が汗臭いだろうと思ったし実際汗臭かったと思う。

いつも絹のようにサラサラの真っ黒なウィノナちゃんの髪も、汗ばんだおでこにペッとりくっつくくらいの暑さだった。わかめみたいだった。僕がその有様に性的な興奮を覚えたのは言うまでもない。
55 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:48:40 ID:9GPM1Qwh.net
暑くてちっとも集中できずにレッスンは終了、彼女は1ミリたりとも上手くはならなかった

アンプは持ち出せなかったのでCDラジカセを持ち出してクーラーの効く教室で練習の課題曲を選ぶことにしたんだ
今思えば放課後に自由にクーラーをつけられるっていい学校だよね。
56 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:49:24 ID:9GPM1Qwh.net
持ち合わせのCDはそんな日に限って2枚
ヘンドリックス大明神のアルバム1枚とちょっとマイナーだけど日本のHATE HONEYってバンドのミニアルバムが1枚

なんでもっとポップなの持ってねぇんだと呪ったが結果的にはこれが最大の幸運だったことはあとから知ることになる。

僕は流石にいきなりジミ・ヘンドリックスはないだろうとヘイトハニーの方にしたんだ

そのアルバムの確か2曲目だったかな
タイトルは”Can’t Take My Eyes Off You”
フランキーヴァリの名バラードのカバーだったんだ
57 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:49:49 ID:9GPM1Qwh.net
ちなみに今探してみたらYouTubeに音源があった



君の瞳に恋してるという邦題のほうが有名だろうか
曲を聴けばもっと若い子達も絶対に知っているはずだ
60 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:55:42 ID:9GPM1Qwh.net
そんでこの曲
リスニングが0点の奴が聞き取っても分かるくらいにどストレートなラブソングなのだ。

サビを引用すると
I need you baby
And if it’s quite all right
I need you baby
And if its quite alright
I need you baby
To warm the lonely nights
I love you baby
Trust in me when I say its okay
Oh pretty baby
Don’t bring me down I pray
Oh pretty baby
Now that I’ve found you stay
And let me love you, baby
Let me…

こんな感じだ
61 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 10:56:31 ID:9GPM1Qwh.net
僕はこの超豪速球ストレートなラブソングを放課後の教室で大音量でブチ流した挙句、事もあろうにアンプに刺さってもいないストラトキャスターを掻き鳴らしてテンションアゲアゲで歌ってしまったのだ。
アイニーヂューだのアイラービューだの

他意はなく、ただ知ってるだろうと曲を選んだだけだから、勿論歌詞の内容も深くは考えていなかったし、その後一週間
その客観的状況が如何なるものだったのかを反省する余裕は僕にはなく、ただただ少し距離が近づいたといい気になっていたのだ。
62 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:00:46 ID:hknbqOlD.net
マイペースでいいから完走頼んだぞー
63 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:18:02 ID:9GPM1Qwh.net
>>62
ありがとー!!
よそごとしながらかなり時間かかっちゃうけどごめんね!!

反応がないことを覚悟していたから完走は余裕だよ!!
64 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:18:23 ID:9GPM1Qwh.net
この日は連絡先も交換ができた

もうすぐ夏休み入るしもしギターでわかんないことがあったらって感じてすごく自然に、どちらからという訳でもなくね。

帰る方向が別々だったのは残念だったけど、僕にとってこの日はダブル役満レベルの幸運に感じられた。

その一週間後だった。
65 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:19:20 ID:9GPM1Qwh.net
女バンド側のドラム
僕の中学の頃の友達だったマンドリルからメールがあった。こいつはわりと中学から仲が良い。

「あんたウィノナちゃんに変な事しなかったでしょうね?」
そんな内容だった。

勿論、してないの一点張り。同じ部活動に励むもの、練習を一緒にするのは“変なことではない”はずだ。

尚もマンドは食い下がる
マンド「嘘つきー」
僕「ホントだよ。ギターを教えただけ」
マンド「それだけー?」
僕「あとはメアド交換したくらいかな?」

そんなやり取りだった。
68 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:42:03 ID:9GPM1Qwh.net
あとで思い返せば、マンドリラーはこの一週間でウィノナちゃんと話をしたのだろうし、ある程度のことは把握していたようだ。
とんだおとぼけマンドリルである。

ちなみにウィノナちゃんとはこの一週間、レッスンのお礼をほんの数通交わしただけであった。
69 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:42:58 ID:9GPM1Qwh.net
時計を見ると15時まで20分を切っていた。
マンドリルは一体どれだけパフェが食べたかったのかと呆れながら全力で自転車を漕ぎ数分遅れで件の喫茶店に到着すると既に其処には注文を済ませたご機嫌マンドリルが座っていた。

汗だくでアイスコーヒーを着席と同時に注文し、早速マンドリルに詰問した。

お前何か聞いたのか?
70 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:43:43 ID:9GPM1Qwh.net
どうせミックスジュースも注文していいなら答えるよ?くらいの回答だろうと思っていたんだけど、マンドリルは以外にあっさりと口を開いた。

「ウィノナちゃんからメールがあったんだよ」

僕は内心、何か彼女に悪いことをしたんだろうとネガティブな気持ちでいっぱいだった。

その刹那、パフェに先駆けてミックスジュースとアイスコーヒーが席に運ばれてきた。
なるほど、既に注文後だったのか、僕はさらにネガティブになった。
71 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:46:17 ID:9GPM1Qwh.net
マンドリル曰くのメールのやり取りはこんな感じだったらしい。

ウィノ「イチ君ってどんな人?マンドちゃん同じ中学だったでしょ?」
マンド「そうだよ。少なくとも悪い奴じゃないのは確か。でもなんで?」
ウィノ「こないだギターを教えてもらったんだよ。面白い人だと思ってさ」
マンド「好きなの!?あいつにはウィノナちゃんは勿体無いよ笑」

僕は当然のようにその内容を説明するブスを目の前に憮然としながらも悪い奴じゃないとは思ってくれていることに安堵もしていた。
72 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:47:04 ID:9GPM1Qwh.net
僕はホントに変なことをしたつもりがなかったから当日の様子をそのままマンドリルに話した

練習しようとしたけど暑くてほとんどやらずに断念したこと
端的に言えば教室で普通の会話をしたこと
練習曲を選ぼうとしたことと

マンドリルは割りと真顔でより実際のマンドリルに近い面持ちで僕の話を聞いていた。
73 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:47:51 ID:9GPM1Qwh.net
マンドリル「割りと普通ね」
僕「だからホントに何もしてない。あと練習曲をラジカセで流してさ、途中からテンションが上がってきて、
その練習曲をノリノリで歌ってしまって後で恥ずかしくなったくらいかな。
曲は”Can’t Take My Eyes Off You”のロックカバーだよ。あれ結構かっこいいんだよ。」

その時マンドリルは、ハッと何かに気が付いた顔をした。ガッテンマンドリルである。


マンド「あんたそんな恥ずかしいこと、よくやったわね。」
74 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:48:13 ID:9GPM1Qwh.net
意味がわからないという顔の僕を見て

マンド「私だったらあんなラブソング、誰か来るかもしれない教室で熱唱されたら恥ずかしくて顔から火がでる」

僕はお前の顔は火じゃなくてヒヒだと言いそうになったが、それを口に出す余裕もないくらい愕然としていた。

僕「やってしまった…」
マンド「…客観的に見たら多分ダサい」
僕「しかもイスに足かけたりまでしてた」
マンド「致命的ね…」

マンドリルはパフェをぱくつきながら
「下手したら告白したとでも思われてんじゃない?」


僕は机に突っ伏して返事もできなかった。
77 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:54:49 ID:9GPM1Qwh.net
暫くの沈黙の後マンドリルが訊いて来たんだ

「そんなことより、大事なこと聞くの忘れてたわ。あんたウィノナちゃんのこと好きなの?」


僕は殆ど顔も上げずに小さく頷いた。まともな精神状態じゃなくもはや取り繕うことなど忘れていたんだろう。

マンド「なーんだ。だったらいいじゃん。告白が遅いか早いかだけの違いだよ」

パフェを食べ終えて満足したのかマンドリルは急に驚く程優しくなった。
78 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 11:55:20 ID:9GPM1Qwh.net
僕「いや、やり方が…」
マンド「君の瞳に恋してる!!…( ´,_ゝ`)プッ」

プッでソフトクリームの飛沫が口から飛び出したのを僕は見落とさなかったがマンドリルは気付いてなかった。

マンドリル「まぁまだわかんないよ。飽くまでその可能性があるだけなんだし。可哀想だから私がご馳走してあげるよ!!」


まぁ僕はアイスコーヒーだけでお代金の殆どは君のパフェなんだけどと思いつつ素直に厚意を受け取ることにした。
割りとイケメンマンドリルである。
79 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 12:19:53 ID:+q/ZPCQm.net
ウィノナライダーか
良い趣味だけど今何やってんのかな
80 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 12:29:09 ID:9GPM1Qwh.net
>>79
昔は天使だったよね
分かってくれる人がいて嬉しい

あと今も女優してるよ
結構前に万引きで捕まったけどね
その後ちゃんと復帰して
僕がちゃんと見たのはブラックスワンが最後だからだいぶ前になるけどね
まだやってるんじゃないかな
81 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 12:30:25 ID:9GPM1Qwh.net
それからと言うもの
勉強もバンド練習も何もかも気が入らない。

ウィノナちゃんはどう思っているのか、気になって仕方がなかった。

マンドリルには頻繁にメールで相談していた。
情報としては、ウィノナちゃんに彼氏はまだいないこと、綺麗な子だからライバルが多いだろうってこと、一生懸命練習してるのか最近彼女のギターの腕前が上がってきていること、特にバンド練習などで僕の名前が出たことはないこと

この程度だった。
82 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 12:48:47 ID:9GPM1Qwh.net
学校がある期間中ですらクラスの違うウィノナちゃんとは練習部屋ですれ違う程度だったが夏休みともなればまず会うチャンスはない。

悶々と日に日に気持ちが押し潰されていく感覚に耐えかね、遂に僕はウィノナちゃんにメールを送ることにした。
83 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 12:49:11 ID:9GPM1Qwh.net
メールの文面はこんな感じだったと思う。

“8月になったね。ギターの練習は捗ってる?
僕は蝉が嫌いだから全然やる気出ないよ。昔、カマキリに下半身だけ食べられた蝉が最後の力を振り絞って飛んで、僕の胸に止まってタヒんだんだ。まるでブローチか何かのように。それでセミが嫌いなんだよね。あと、こないだの選曲はあれは変な意味があったわけじゃないよ”


もはや言わなくてもいいことだけで構成された文面だった。
84 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:01:13 ID:9GPM1Qwh.net
暫く返信はなかった。
今思えば、それが当然に思えるよね。当時の僕は、誤解(誤解じゃないけど)を解きたくてその気がない風体を装いたかったんだ。
小学生の頃、皆も意中の子を敢えていじめたりしたんじゃないかな。ああいう感情と似たようなもんだ。

でも読み返せば読み返すほど素直に好きと言ってしまえばよかったと激しい後悔で胸が張り裂けそうだった。
85 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:01:36 ID:9GPM1Qwh.net
返信があったのは確か3日後
僕が部屋でSlipknotかKORNかを爆音で流して引きこもってた昼下がりだ
僕の部屋もクーラーがなかったから頭がぼやっとしていたように思う。
86 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:14:21 ID:9GPM1Qwh.net
返信の内容はこんな感じだった。

“メールありがとう!!ギターはちっとも上手くならないけどバンドのために頑張ってるよ!!
蝉さん可哀想だね。私も子供の頃、白いTシャツで道を歩いてたら、石ころに躓いて転んだの。ちょうど胸の辺りにバッタさんが居て潰しちゃったんだよね。それ以来虫が嫌になっちゃったから気持ちわかるなー。
こないだの曲も練習してるよ。また学校が始まったら教えてね?”
88 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:14:42 ID:9GPM1Qwh.net
男子高校生の如何に単純たるか

さっき迄の重々しい気持ちはどこへやら

僕は内容を理解した途端BGMはご機嫌なレゲエミュージックに差し替えてサウナと見紛う程の灼熱の自室の中で小躍りしていた。
90 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:16:02 ID:9GPM1Qwh.net
冷静になって彼女のメールを読み返すと中々の不思議ちゃんな気もする

でもそんなことはただ無闇に僕の恋心を駆り立てる要素の一つにしかならなかったことは言うまでもない。
92 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:16:24 ID:9GPM1Qwh.net
ただし、肝心の例の“勘違い”について言えば言及もされてないし、一抹の不安は残った。

そしてもはや僕の気持ちは抑えきれなくなってしまっていたんだ。

どうせ一度は告白したようなもんだ。早く好きだと言ってしまえ、モジモジしてたらロックじゃねぇなんて声が聞こえてくるんだ。

きっと焦りもあったんだろう。何せ僕以外のバンドメンバーは所謂イケメンなんだしね。
バンドメンバーとは色恋話などそれまで一度もしたことはなかったんだ。
94 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:20:31 ID:9GPM1Qwh.net
何通か他愛のないやり取りを、半ば僕が無理矢理な質問を繰り返すことでウィノナちゃんとは連絡が続いた。

どうしても好きな人がいる?とは訊けない。訊いたらリングに上がる前に試合が終わる予感がしていたから。

眠れないくらい暑い夏だった。寝ても覚めても何度も何度も告白の為の文面を考え直えては破棄する作業を続けた。
95 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:21:40 ID:HpbqfOKi.net
全12話で例えると今は何話目?
96 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:22:08 ID:9GPM1Qwh.net
>>95
2話かなwww
99 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:27:09 ID:HpbqfOKi.net
大作過ぎるだろw
100 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:30:48 ID:9GPM1Qwh.net
>>99
ほんとだよね
書き始めてびっくりした

最後まで読んでくれる人いないかもしれないけどまぁいいんだwww
殆ど自分の為に書いてるみたいなもんだから

ごめんね見苦しいかもしれないけどご勘弁を
97 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:22:52 ID:9GPM1Qwh.net
直接告白するなんて考えもしなかったし多分顔を見ても緊張して何も話せなかっただろう。

そんな気持ちを反映してか作るメールはどれも適当な言葉が出てこない。

好きです。付き合って下さい。
これではストレートどころかスローボールではあるが、早く僕はこの苦しみから解放されたいと切迫していた。

送信ボタンに指をかけては離すそんなことを毎日繰り返していたが、とある日、小学校から愛用しているロックマンの勉強机につっぷして寝てしまったようだった。
98 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:23:16 ID:9GPM1Qwh.net
指先で感じたバイブレーションで僕は目を覚ましたんだ。
携帯を握りしめて寝落ちしていたことに気が付きそのバイブレーションの正体を探るために携帯に目を落とす。

そこにはウィノナちゃんからのメールがやった来ていた。
101 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:31:21 ID:9GPM1Qwh.net
“結果ALLRIGHT(*´ω`*)”

メールの内容はこうだった。顔文字も確かこんな感じのどんな感情かイマイチよめないものだった。

僕は寝ぼけていて状況が把握できていない。
102 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:31:54 ID:9GPM1Qwh.net
数日前におやすみと連絡して依頼しばらく連絡をしていなかったが、タイトルにReが付いている。

僕は送信ボックスを開いた。
感じていた悪い予感は的中した。
ご想像の通り寝落ちした瞬間に送信ボタンを押していたのだ。

とんだ間抜けだ。
大暴投だ。
そしてこの返信だ。

結果オールライトってなんだ。
103 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:33:44 ID:9GPM1Qwh.net
悪い意味ではないことは分かる。でもイエスかノーかで答えられる質問にイエスで答えないのはノーと同義なんじゃないか?
そんな疑心暗鬼でそれからはメールを返す事ができなかった。

悶々と残された夏休みを消化して明日、2学期という日にウィノナちゃんからメールが来た。

“明日、放課後視聴覚準備室に来て?”
104 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:34:14 ID:9GPM1Qwh.net
勿論、行った。
始業式とかんたんな授業でお昼で終わりだ。

ウィノナちゃんはすでにその部屋に居た。

暫くの気まずい空気のあと、ウィノナちゃんはあのさ…と切り出した。とても暗い表情に見えたんだ。
振られることを確信した。
残された2年半年の高校生活はきっと暗いものになると思われた。

僕は返事をしつつドラムセットの椅子に座った。
シンバルで少しでも顔が見えないようにしたかったんだ。
105 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:35:04 ID:9GPM1Qwh.net
ウィノ「謝らなきゃいけないことがあるの。」
僕「え?(あ、終わったなぁ…)」
ウィノ「マンドリルから色々聞いちゃったんだよ、だから君の気持ちは知ってたんだよ。だからホントは私から告白するべきだった。」

僕「…?」

ウィノ「あの…歌ってくれたじゃない?
正直馬鹿みたいだと思ったけど、それ以上に嬉しかった。本意は分からなかったけど、
本気だったら嬉しいなって思ったらずっとそればっかり考えてしまって、マンドリルに色んなこと聞いてしまったんだよ。
マンドリルには話したんだよね?内緒って約束で君が喫茶店で話したこと聞いちゃったんだよ」
106 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:35:32 ID:9GPM1Qwh.net
僕はあの軽口マンドリルめがと心の中で罵倒したが黙って聞いていた。話が自分の望む方向に進んでいることに喜びと違和感を感じていた。

ウィノ「それでね。君からメールくれたじゃない?私嬉しかったんだ。でもあんまりにも真っ直ぐすぎてすぐ答えられなかったんだよ。ごめんね?私卑怯だったと思う。でも過程なんてどうでもよくて、私が望んだようになったんだから、だから結果ALLRIGHTなのだ(*´ω`*)」

彼女はほんとに(*´ω`*)こんな顔をしていた。

僕「僕とお付き合いしてくれメシュカ?」

僕は盛大に噛んでいたが訂正する余裕もなかった。
卑怯でもなんでもないと、漢らしく僕から言いたいと急いで言い放った。
107 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:35:58 ID:9GPM1Qwh.net
彼女ははいと答えようとしたんだろうけど、“は”が聞こえた瞬間僕は嬉しくてクラッシュシンバルを盛大にしばいた。

お陰で彼女はびっくりして“い”を言いそびれたんだけどそれでも笑っていた。

僕の興奮は冷めやらずにバスドラムをドコドコ踏みしめていた。

こうして僕たちはお付き合いをする事になったんだ。
108 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:37:26 ID:9GPM1Qwh.net
つらつら書いてたら前フリで長くなってしまった。
ごめんなさいね。
109 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:49:33 ID:uVXL0i+V.net
最後まで見たら悲しくなる内容か?
110 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:52:20 ID:9GPM1Qwh.net
>>109
ハッピーエンドではないです
これ以降わりと僕なりには激辛パートなんですが、現在進行形で思い出しながらつらつら書いてますんで、いざちゃんと自分で読んでみたら悲しくなる内容かもしれない

或いはそんなに悲しくも辛くもないかもしれない
111 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:54:46 ID:e+IlXWRD.net
すっげえ亀だけど、ナパームデスのブラストビートって速すぎて遅く聞こえるよね
114 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:56:54 ID:9GPM1Qwh.net
>>111
そうだねー
ナパームデスも早いけど

ナイルのジョージコリアスとかクリプトプシーのフロモーニエあたりはもっと早いね

ていうかナパームデスに反応貰ってびっくりなんだけどwww
112 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:55:09 ID:9GPM1Qwh.net
その後、1年半
おそらくそんなに珍しくはない恋愛が続いた。

少し珍しかったことと言えば、キスをするのに1年もかかってしまったことくらいだ。

家にはよくお邪魔していた。
彼女のご両親にはギターを教えに来ていると言う体裁を取って付き合ってからすぐに家にあげてもらった。
彼女の家庭も僕と同じ普通の和やかな家庭だった。
妹と両親の4人暮らし。
みんな、僕に優しくしてくれたし恋愛には寛容で特にお母さんとは親しくしてもらった。
帰り道送ってもらったり、ご飯をごちそうになったり。
113 :滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:55:15 ID:V+A3qxn9.net
次の章の始まりだな
115 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 13:58:44 ID:9GPM1Qwh.net
>>113
そうだね。
付き合ってからのことは頑張ってそんなに長くはならないようにするねwww

章分けするなら今が次につながる2章
本題の3章
後日談の4章になるかなって思う。

また余計なこと書いてしまったらごめんなさい!!
117 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:11:15 ID:+q/ZPCQm.net
ダメだマンドリルで吹くwww
仮に当てはめた名前でも真面目なシーンで「マンドリルに~」とか
119 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:18:48 ID:OL0p0Pdx.net
>>117
それは僕も失敗した
書いてて違和感しかないけどもうあとに引けない

あと一応だけど全員仮名だよ

マンドリルもマンドリル以外の霊長類に似てたからある意味仮名だよ
120 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:19:32 ID:OL0p0Pdx.net
付き合ってから知る事実も多かった。寧ろ殆どが付き合ってから知ったことだった。

・入学してから直ぐに同じクラスの子に告白されて断ったこと
・今まで恋愛はしたことがないこと
・ピアノを習っていてギターよりもかなり上手に弾くこと
・血液型はO型なこと
・学校が遠いからか同じ中学出身の子は同級生で自分を含めて2人だけだと言うこと
・その子は大の親友でボーカルの平山を好いていること
・部屋にはたくさんぬいぐるみがあって、一つずつ名前をつけて大切にしていること。ぬいぐるみはよく誕生日プレゼントにもらうらしい。

バンドの練習がない日なんかは必ず会いに行った。
それが普通になっていた。
121 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:20:56 ID:OL0p0Pdx.net
彼女に少し精神的に不安定な部分があることも分かってきた。

高校2年生の春頃
両親とひどく喧嘩をしたらしい。理由は忘れてしまったけど、思春期ならではの大したことではない内容だったと思う。

3日も学校を休んだ彼女が心配で、バンドメンバーには練習を早めに切り上げてもらって会いに行ったんだ。
122 :未来の有名(仮) ◆MIRAI777ag @\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:30:52 ID:CkueybhG.net
>>7
つまりアニメオタクって事ですね(´Д` )ワカリマス
124 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:54:55 ID:9GPM1Qwh.net
>>122
オタクってほどじゃないかもしれない
どちらかと言えば楽器オタクかな
123 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:31:03 ID:Px8g141l.net

恋愛+音楽の昔話は前のも良かった
125 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:55:57 ID:9GPM1Qwh.net
>>123
ほんとは音楽の話ももっと書きたいんです

僕は初めて書き込んでるから面白かった前例があるなら緊張しますね
126 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:56:27 ID:9GPM1Qwh.net
家についたが彼女はいなかった。
丁度彼女の母が帰ってきて様子を聞くと今朝、そんなつまらないことで学校に行かないなら私はもう知らないから出ていってと言ってしまったの、それでまだ帰ってないみたいと相談を受けた。

暫くお母さんと二人で待ったけど暗くなっても帰ってこないから、ようやく僕は探しに出たんだ。彼女の母親には家に残ってもらった。

電話も出ないし思い当たるところも全て回った。
もう21時も過ぎようとした頃、やっと彼女の家からほど近い海岸線で彼女を見つけたんだ。
僕は知らなかったけど彼女はこの景色が好きらしい。
特に海がきれいな地域でもなく、灰色の海水が打ち寄せる工業地帯と漁港の隙間にできたほんの少しの砂浜だった。

ぼんやりと堤防からの切れかけの電灯が明かりを灯す。
彼女はここの儚くて残酷な感じが好きだったそうだ。

僕には理解できなかった。
127 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:57:06 ID:9GPM1Qwh.net
隣に座ってしばらく黙っていた僕に彼女はこう言った。

「君って空気みたいだね」

僕は憮然とした。
彼女にとって、そんなに存在感が薄いのかと絶望した。
だが、確かに彼女は僕に居場所を知らせなかったし、頼りにはされていないのだろうという事は薄々気がついていた。

きっと僕は泣いていたと思う。
128 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 14:57:37 ID:9GPM1Qwh.net
僕の顔は暗くて見えていなかったと思う。
彼女はこんな風に続けた。

「つまらないことで、君を困らせたくないから連絡をしなかった。一番頼れる人なのにそれに気が付かなかった。でも、今気が付いたの。私、君が居なきゃタヒんじゃうよ。ほら、空気みたいでしょ?」

僕は黙って彼女にキスをした。
ただぼんやりと暗くてものすごく中途半端な位置にしてしまった。
これが初めてのキスだった。
もちろんフルポッキしたが、暗闇が優しくそれを隠してくれた。
彼女がこの場所が好きな理由が少しわかった。

彼女はただもう大丈夫と呟いて笑った。
129 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 15:26:37 ID:m5LPcs/i.net
>>6
今の体重とねんれいを。
131 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 15:29:44 ID:9GPM1Qwh.net
>>129
年齢は30歳前後だよ
体重はどうだろうね
いい年のおっさんの体重聞いてどうするんですかとか書きかけたけど
いい年のおっさんですが体重を言うのは恥ずかしいです
130 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 15:27:43 ID:9GPM1Qwh.net
初めてのキスの興奮でそれどころでは無かったけど、空気みたいだってのは彼女なりの早くキスくらいしろという揶揄だったのかもしれないと後日思い返した。
もしそうだったとしても結果オールライトだなと胸を撫で下ろした。
134 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:02:12 ID:9GPM1Qwh.net
僕の周りの人間たちもそれぞれ進展があった。

彼女のバンドのマンドリルはいつの間にか僕のバンドのベースである飯田と付き合っていた。
口は軽いが割りと面倒見の良いマンドリルとブス専の飯田がくっついたのは必然だったのだろう。

彼女のバンドのボーカル、アユは話を聞くたびに男が変わっていた。
ベースのサユミちゃんはずっと想い人がいるんだとウィノナから聞いていた。

僕のバンドの平山は端正な顔立ちからよくモテた。ウィノナの中学からの同級生であるレナちゃん(仮名)からも想いを寄せられていた。だが今のところは誰にも惹かれていていない様子だった。

ドラムの石原にも色濃い沙汰の様子は見られない。曰くドラムに恋をしているとのことだったのだが、高校卒業後に彼は自分がゲイであることを告白した。これは本件には絡まないので置いておこう。
135 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:04:24 ID:9GPM1Qwh.net
まぁよくある恋愛模様だ。
これもまたまま有ることではあるが、一度団体デートに出かけたこともあったんだ。

メンバーは僕とウィノナ、飯田とマンドリル、平山とサユミちゃんだった。

場所もありきたりな遊園地
ただそれでもとにかく楽しかった。
きっと一番美人な彼女だと優越感に浸っていたんだと思う。ちょっと性格悪いよね。

僕とウィノナ、飯田とマンドリルの仲は周知の事実だったし、それを隠すことも無かった。

乗り物の待ち時間に色んなことを話ししたと思う。
全部はもちろん覚えてないけど、各々のバンドのこと、特にアユが男遊びに耽りあまりバンド練習に顔を出さないということ、飯田とマンドリルの馴れ初め、サユミちゃんの想い人のこと、平山が朴念仁だと言うこと
136 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:27:26 ID:9GPM1Qwh.net
サユミちゃんは頑なに自分の想い人のことを話はしなかった。得た情報は軽音楽部ではないとある先輩だと言うことだけだった。

平山は絶叫系が苦手で終始テンションが低かった。マンドリルはそんなにモテるのに人と付き合わないなんてゲイなの?なんて茶化していたが実際にゲイなのは石原であって、平山は全力で否定していたし実際にゲイではなかった。
僕には全然確証はなかったけど平山はさゆみちゃんが好きなのかなとか、そんなことを考えたりしたような記憶があるね。
137 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:28:20 ID:9GPM1Qwh.net
マンドリルがまた余計なことを言い出した。

マンド「平山と同じクラスのレナちゃんはどうなのよ?あの子めっちゃ可愛いし平山によく話しかけてるじゃん」

平山「ああ、かわいいね。でも俺不思議ちゃんはダメなんだよなぁ…」

確かにレナちゃんについての印象は僕も不思議ちゃんで異論はなかった。
確かに小動物みたいで可愛らしいんだけど、語尾がゴワすだったりゴザルだったり…ずっとコンビニでコクのある食べ物はないかと探したりね。

ウィノナは少し悲しそうな顔をしていた。
138 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:28:56 ID:9GPM1Qwh.net
他にも色んなことがあったように思う。
バンドでオリジナル曲を作るために合宿をしたり、内緒で酒を飲んでみたり、
ウィノナとはありふれたデートばかりだったけど高校生の自分にとってはそれ以上はない幸せな2年間だった。
139 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:30:08 ID:9GPM1Qwh.net
高校も3年生になり、自分の高校では希望の進路でクラス分けをされることとなるんだ。
国立理系、国立文系、私立理系、私立文系
たしかこんな感じだったかな。

僕はウィノナが私立の文系を希望していると言うだけで同じコースを希望して、狙い通り同じクラスに入ることができた。

勿論、同じ大学に行くつもりだった。僕と彼女は学力も大きく変わらないレベルだったしね。
一時はギターの講師になろうとしたんだけど、それは大学に行ってからでもまだ間に合う選択肢だと親に止められた。それは本件には絡まない。

とにかくここまでは良かったんだ。
142 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:54:07 ID:9GPM1Qwh.net
同じクラスになれて、喜びを噛み締めていた矢先の5月、丁度彼女の実家にお邪魔していたとき、一通のメールが彼女の携帯を鳴らした。

当時は勿論スマホなんて無いからそもそもあまり携帯が鳴らなかった。共通の友達も多かったからよく誰から?なんて訊いたものだ。特にウィノナは僕に携帯を見せることを嫌がらなかったしね。

メールを見た瞬間、彼女の顔から血の気が引いていく気がして、僕はいつものように誰から?と開こうとした口を閉じて、携帯の画面を凝視した。

そのメールはこんなだった。
143 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:54:45 ID:9GPM1Qwh.net
アドレス:sine-winona@docom○.ne.jp

本文:タヒんでしまえば良い
144 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:55:50 ID:9GPM1Qwh.net
血の気の引いた理由はもちろんすぐ分かった。
僕には彼女がそんなに恨まれることについては全く心当たりがない。
単なる嫌がらせにしてはちょっと度が過ぎる。

真っ先に考えたことは、タヒねをアルファベットにする時にshineにしてしまうと、その本意が伝わらいということ。なんならタヒねがシャインになってしまったら正反対に近い。冗談でも何でもなくそんな下らないことを考えた。
恐らく、人生経験の少ない僕にとっては気味の悪さが自分のキャパシティを大幅に越えてしまっていたのだろう。
無意識に悪い風に考えないようにしたんだ。

犯人が誰かということと、そいつに対しての怒り。しばらくはそういう現実味のある事として捉えられなかった。
145 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 16:59:27 ID:um4e+d0w.net
oh…
146 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 17:02:25 ID:9GPM1Qwh.net
>>145
当時の自分はまさにそんなリアクションだったと思う

今でこそ大人だけど
高校生の自分したら結構な衝撃だった
147 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 17:04:50 ID:zpIcpMVy.net
ウィノナが今の嫁て落ちだったらシバくからなw
148 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 17:15:58 ID:9GPM1Qwh.net
>>147
それはそれで素敵な未来でしたね
149 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 17:16:34 ID:9GPM1Qwh.net
ウィノナは泣くかと思ったが泣いてはいなかった。
身に覚えが無いからだろうか。僕と同じように現実感が感じられていない様子だった。

漸く犯人について思考を巡らせ始めたのは大凡3時間後、その瞬間またも彼女の携帯が鳴った。
150 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 17:16:56 ID:9GPM1Qwh.net
アドレス:korositeyaru@docom○.ne.jp

本文:ヤ○マンにはタヒんでもらうしかないですね。
151 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 17:18:48 ID:9GPM1Qwh.net
不幸なことに実際その日は土曜日でそういう行為をした後だった。午前中にだ。
まぁ高校生だから仕方ないよね、ら
見られているかもしれないという猜疑心、コ□すと言う能動性、明らかにより攻撃的になった文面。すべてが僕達を責め立てた。

ウィノナはただ涙を流しながら何も口にはしなかった。
怖くて言葉も出なかったのかもしれない。

漸く僕も現実感が湧いてきた。タヒねとコ□すの違いがあったのかもしれない。


まず彼女を守るためにすることは?
・一人にしないこと
・犯人を探すこと
・携帯を彼女にこれ以上見せないこと

そんなことを考えた。
152 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:05:44 ID:9GPM1Qwh.net
一人にしないことはなるべく僕が側に居ること。それが出来ないときは家族にいてもらうこと。これ以上続くのであれば警察に連絡するればいい。
これはそんなに難しくは無いように思えた。


彼女に携帯を見せないこと。これは叶わなかった。
ウィノナ曰く、自分の見えない所で更に追い打ちが来ているかもしれないと思うと余計に怖いから、しばらくは携帯を手放さないと言ってきかなかった。
そう望むのならば暫くはと携帯を奪うことはしなかった。
153 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:07:14 ID:9GPM1Qwh.net
警察に頼んでも数日はもちろんかかるだろうと覚悟した自分は今日にでも犯人を見つけたかった。
まぁ可能性としては人違いだとか、ランダムな嫌がらせの可能性もあったけど、じっと待つことはできなかった。これ以上彼女を苦しませることが許せなかった。

と言っても、現段階の容疑者は彼女のアドレスを知る全員だ。

まず僕はさっき届いたアドレスに僕の携帯から返信を送ってみた。

反応次第では犯人のヒントになるかと考えた。
だが、すでにアドレスは変更されていた。
154 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:27:28 ID:0CK2z86O.net
>>13
ぶっさ
155 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:37:11 ID:9GPM1Qwh.net
>>154
そうだね。多分好き嫌い結構激しいタイプの顔だよね。
本人もそんなタイプだった気がするよ。
156 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:46:07 ID:9GPM1Qwh.net
その日はお互いの両親にお願いをして、彼女の部屋に一晩いさせてもらう事にした。
僕の両親は反対したが、彼女の母親が私もそばにいますからと説得してくれた。
ちなみに彼女の父親は出張で帰ってこられなかったんだ。

こ○してやるとまで言われたら家に女性だけにするのは良くない。かと言って警察に保護を頼めるほどでもないと判断したんだ。今思えばすぐにでも警察に連絡すれば苦しまずに済んだと思う。

ただ事を大きくしたくないのは彼女とその家族も同じ意見のようだった。
157 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:47:03 ID:9GPM1Qwh.net
僕にはもう一つの思惑があった。
少なくとも彼女の家族を容疑者から外したかった。


2通目のメールで僕が家にいることを把握している人なんじゃないかと疑ったからだ。
過去に家を追い出そうとしたヒステリックな一面を見ていたこともある。
僕は彼女の母親と妹が犯人でないことを、善良だと信じたい人を疑う自分の猜疑心を1秒でも早く払拭することを望んだ。
159 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:49:15 ID:9GPM1Qwh.net
兎に角、半ば強引に土曜日の夜は彼女の家に居座ることには成功した。

彼女の母、妹、僕とウィノナ

4人揃った段で1階のリビングに場所を移した。
彼女と妹の部屋は2階だった。

リビングの食卓に突っ伏して話さない彼女。
これからのことを相談して、足早に時間は過ぎた。時刻は23時54分だった。

食卓が携帯のバイブレーションでガタガタと音を立てた。
また例のメールである。

アドレスを変更しては同じような罵詈雑言や脅しを浴びせかける、これはこの後事件の収束まで収まることはなかった。
彼女は例のメールが来たと言うことは認識しただろうが見る気力も失っていた。
161 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 18:57:43 ID:9GPM1Qwh.net
朗報とは言えないが、夜中のこのメールが届く瞬間、彼女の母は父親に電話で状況説明を行っていたし妹は僕と面と向かって話していたので家族は容疑者から外れた。
162 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:17:11 ID:9GPM1Qwh.net
彼女の母の手前、僕はリビングのソファを借りることにした。
妹、母は各自部屋に戻った。

彼女はメールが来るのが怖くてか眠れない様子でずっと僕の隣に座って黙り込んでいた。

彼女には隠して彼女の携帯の電源は落としておいた。
163 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:17:50 ID:9GPM1Qwh.net
ほとんど眠ることが出来ずに夜が明け、明け方携帯の電源を付けて追い打ちのメールが来ていないことを確認した。

最悪の日曜日だ。
彼女の母はどうしても外せない用事で外出。
妹は塾で昼には外出するとのこと。
僕は今日できること、これからすることを整理した。
164 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:18:33 ID:9GPM1Qwh.net
今日すること
・ドコモショップへ行き、逆探知的な事ができないのか確認しに行く
・僕と彼女が共通で信頼できる人間を探す
・彼女の気を少しでも紛らわせる



これからすること
・月曜日には学校に連絡をする
・自分の分かる範囲で犯人を特定する
・次の日曜日までにメールが止まない場合、警察に相談する。状況が悪化するのであれば即座に警察に相談する


こんな感じだった。
この当たりが一般的な男子高校生の限界だった。
勿論協力者は必要だが、彼女のアドレスを知っている人は全て容疑者だった。
165 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:24:55 ID:9GPM1Qwh.net
彼女は家から出たくないと言ったが、彼女の気分とは裏腹な雲一つない快晴だったので携帯ショップに歩いていくことを提案。

海沿いに約1時間歩けば到着する予定だ。

一人にしたくないから付いてきて欲しいと告げると小さく頷いてくれた。
166 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:25:23 ID:9GPM1Qwh.net
海沿いをひたすら歩く。
海は相変わらず汚くて、深い灰色に波の白色が泡を立てていた。

工業地帯を抜け街についたとき、僕は少し汗ばんでいたが彼女はまるで病人のようで真っ青の唇はついさっきまで凍えていたんじゃないかと思わせる様子だった。

携帯ショップは多少混んでいて1時間程度待つように言われたのでソファに腰を掛けた。
隣に座った彼女の手に触れたとき、その冷たさは血が通っていないかのようだった。

もともと精神的に不安定だったからとは言え、人の心がこんなにも柔らかいものだとはそれまでは思いもしなかった。
167 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:36:23 ID:9GPM1Qwh.net
ひたすらに長い時を待ち続けたような気がする。
慰めの言葉も無意味なことは分かっていたから、何かを発しようと口を開いても、言葉も思考も虚空に吸い込まれて、行く宛を失った口元だけがただ微動するだけだった。

僕は彼女の携帯を預かっていた。ポケットの中では受信を知らせるバイブレーション。それが例のメールかは分からないけど、僕は口にはしなかった。

やっと窓口に僕達の受付番号が映し出された。
168 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:36:58 ID:9GPM1Qwh.net
窓口で聞かされたことは少なくともいいニュースではなかった。窓口のお姉さんはこんなことを教えてくれた。

相手がメールアドレスを頻繁に変える以上着信拒否はできないこと。

刑事事件及び契約者に身体的、金銭的な不利の発生する事案以外、基本的には送信者の追跡が行えないこと。逆に言えば警察に相談して、事件性が認められれば追跡できること。

未成年者の場合、一部の例外を除き、殆どが両親いずれかの名義で携帯を契約すること。これは僕も彼女もそのようになっていた。

窓口の奥から更に所謂おえらいさんが登場した。
169 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:37:33 ID:9GPM1Qwh.net
お偉いさん曰く状況を聞かせてほしいとの事。
親身に話を聞いてくれるいいおじさんだった。

僕は彼女に同意を得て、彼に携帯を見せようとした。
彼はそれは本来はしてはいけない行為だと断った上で内容を見てくれた。


彼曰くはこうだった。
170 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 19:38:52 ID:9GPM1Qwh.net
・現在のメールの合計件数は4件(土曜日2通、昨晩0時前後1通、まだ見ていなかったポケット内で受信した一通)
身体を脅かすような重大な脅迫が入っているので警察に相談するべきだと言うこと。

・メールに連続性がある場合は更に事件として取り扱われる可能性が高いので、本人が希望するなら1週間程様子を見ても良いかもしれないということ。その場合でも先に警察には相談をして必要を感じる場合保護を申し出るべきこと。

・(今はどうか知らないけど当時は)メールアドレスの変更制限が1日3回までなことと、今まで届いたメールが共通してドコモのドメインのため、このペースでメールが来る場合は犯人は1つの端末からメールを送信している可能性が高いこと。

・自社の提供するサービスの上で被害を被っているのに即座に力になれなくて申し訳なく思っていること。
177 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 22:46:17 ID:PqGjDvJo.net
窓口での話は概ね理解した。
僕は彼女の手を引きその足で警察署にも出向いた。

何課が担当なのかもわからずたらい回しにされた挙句、よく分からない施設の奥の方の部屋に回された。

そこでは愛想のないおじさんが対応で、その態度は関心のできたものではなかった。
178 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 22:47:02 ID:PqGjDvJo.net
あぁ、最近多いんだよそう言うの。掲示板とかでのいじめもお宅らの高校にもあるんでしょ?それの延長に近いし、4通のメールくらいでは送り間違いの可能性もあるし取り合ってられないよ。
そんな回答だった。

当然ながら僕は激昂した。
自分の身内に同じことが起きても同じことが言えるんですか?
そんなことを訊いたと思う。

おじさんは、警察は恨まれ屋みたいなもんだからメール程度では気にしないと言ったんだ。
179 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 22:47:32 ID:PqGjDvJo.net
おじさんはこう付け加えた。
もしコ□す気があるならメールなんてしないから気にすんな。ま、お嬢ちゃんも元気だせよ。

僕はどうしてもそのおじさんが許せなかった。
「じゃあおじさん、僕はおじさんに心底タヒんで欲しいと願ってます。本気では言ってないから気にしないでください。」
そう言って彼女の手を引いて席を立った。

背後からはクソガキが!!と叫ぶ声が聞こえたが僕達にはもうそこにいる理由はなかった。
180 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 22:53:43 ID:PqGjDvJo.net
今思えば僕も若かったんだよね。
それだけで警察ですら信用できないという思考回路に固執してしまったんだ。
こういう時、己の感情と客観的利得を天秤にかけられるようになることが大人になるということなんだろうと思う。

今の僕がもし当時の自分にメッセージを送ることができるなら
“おじさんの靴を舐めて頭を地面に擦り付けてもおじさんを味方にしろ”
そう送信したい。
そんなシュタインズゲートみたいなこと、できるわけ無いんだけど、こうして色々思い出して書いていると、当時の自分の愚かしさが歯痒い。
181 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 22:56:23 ID:PqGjDvJo.net
一層青ざめた彼女を歩かせるわけにも行かず、タクシーを拾って彼女の家に帰ったんだ。

僕は彼女に話した。
警察に正式に捜査を依頼するのはもう少し待たなければならないかもしれない事。
その間は自分がそのメールを止める為に動くこと。
例のメールに耐えられないなら即座に携帯を解約してもいいんじゃないかってこと。少なくとも内容をいちいち見るべきではないこと。
学校のことその他諸々。

彼女は概ね同意しているようだった。と言っても言葉はほとんどなく、小さく力なく頷くだけだった。

彼女が唯一口を開いたのは、なるべく誰にも言わないで欲しいと言うことだけだった。
警察沙汰にもできない方が私は嬉しいと。
軽音楽部の仲間たちにも可能ならば話したくないとのことだった。

誰も信用できないから、そう彼女は理由を説明したがそれを額面通りの意味で理解していた自分はやはりまだまだ若かったんだろう。
182 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 23:14:29 ID:PqGjDvJo.net
彼女の母親が帰ってきて今日の経緯を話した。

彼女は月曜日は学校を休むことに決めた。
それ以降はもし行くのならば母親が送迎すること。
受験で大切なシーズンだから母親はなるべく学校に行って欲しいと思っていること。
母親としてはいくら彼氏だとはいえ、僕を巻き込みたくはないと言うこと。ただ、共働きの家庭だったから僕の存在に甘えてしまうことがあるかもしれないこと。

そんな話をして、ウィノナの父親にも電話口で謝罪とお礼を謂われてその日は帰ることにした。

その後、自宅では両親にこっぴどく叱られたが、そんなことは気にも留めなかった。
事情も根掘り葉掘りと訊かれたがちゃんと話はしなかった。
両親二人は僕を心配してのことだったんだろう。気持ちが高ぶってうぜぇんだよなんて口走り父親には初めて殴られた。
ビンタじゃなくてがっつり振りかぶって頬を撃ち抜かれたのには正直面と食らったな。
185 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 23:46:38 ID:PqGjDvJo.net
帰宅後、彼女から僕が帰った直後の19時に一通、23時55分にもう一通、例のメールが届いた旨の連絡があった。

携帯ショップで聞いた様に恐らくはアドレス変更の制限で1日多くても3通、最後のメールは日をまたぐ直前に来る、僕はそんな予測をした。最後のメールを0時直前に送り直後にアドレスを変えるのだろう。
186 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 23:57:18 ID:PqGjDvJo.net
月曜日。予定通り彼女は学校を休んだ。

僕の学校は携帯の持ち込みは許されていたが、授業中の使用は携帯の無期限預かりという罰則があったし、今みたいに携帯で色々なことができる時代ではなかったから殆ど授業中に携帯を触るものは居なかった。

2限目の後、携帯を確認すると今日一通目の例のメールが届いたと彼女からメールが入っていた。

2限目は僕のクラスと隣のクラスで合同の体育の時間だったからこの授業の参加者は携帯を触らなかった可能性が高い。
187 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/01(土) 23:58:10 ID:PqGjDvJo.net
僕と同じクラスの石原、サユミちゃん、隣のクラスの平山、レナちゃん、その他クラスメイトたちが犯人の可能性は極めて低くなった。

そもそも例のメールのキャリアがdocomoだっから、確実にウィノナの連絡先を知っているdocomoユーザーといえばゲイの石原と中学からの親友のレナちゃんだけだったんだけどね。
188 :滝山 ◆7gTe4bH3Yk @\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:06:11 ID:Ehjs1fqs.net
対策として彼女のメアドを変えるってのはなかったの?
189 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:31:06 ID:rBxtmIDi.net
>>188
端折っちゃったけどそれも試したんだよね。しかもかなり早い段階で。
で、当時はいちいちアドレス変えましたってメール打ってたじゃない?

ランダムないたずらの線を消すために一回アドレス変えて、今こっちで電話帳登録してる全員に登録し直してもらったんだよ。

それでもすぐメールは来た。
まぁだからもともと電話帳に入っていた人間が犯人の可能性が高くなったんだよね。それで自分も犯人を見つけられるんじゃないかって思ったってのもあるよ。

その後も見ないに越したことはないから携帯解約とかはよく提案した記憶があるけど、僕と連絡が取れなくなることが怖かったのかな。彼女はそれはしたがらなかったね。
190 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:32:08 ID:rBxtmIDi.net
月曜日はそんな報告も兼ねて家とは反対方向のウィノナの家に直行した。

それを聞いても彼女の表情は一つも変わらなかった。

同じクラスには居ないから大丈夫と学校に行きやすくなるかと思ったのだが、被害者の当人からしたらそれは関係のないことだったのだろう。

翌日も学校を休むと僕に告げ、今日は帰って欲しいと言われた。

恐らく彼女は犯人を探して欲しいだなんて思っていなかったんだろう。寧ろ知りたくなかったのかも知れない。
191 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:33:50 ID:rBxtmIDi.net
その時の僕はそんな事に気がつくはずもなく、ただ犯人を見つけてやめさせれば彼女は救われると盲信していた。

帰り際、ウィノナに頼み1日だけ彼女の携帯を預かる事にした。

ウィノナは特に理由も聞かず黙って携帯を差し出した。

帰宅後、その日も当然の様にウィノナの携帯に23時55分頃メールが届いた。
192 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:34:28 ID:rBxtmIDi.net
アドレスは例の如く中傷文のローマ字打ち

内容はこんなだったと思う。
怖くて学校に来れないんでしょ?そのまま部屋で腐ってタヒね。
193 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:39:39 ID:rBxtmIDi.net
僕は正直少し安心した。
一つは僕が携帯を持っている事を犯人が知らない事。
ストーカーや高度な監視技術を持つ可能性が否定された。

一つは学校を休んだことを知っている事
これでかなり犯人の特定がしやすくなった。例えば中学時代の同級生ってのは可能性が低くなった。

もう一つはメールの内容で特定するヒントを与えてしまっている浅はかさ。
同じ校内に居ますよと言ってしまうような内容を送りつけるのは馬鹿としか言いようがないと思った。

併せてウィノナのアドレス変更を行ってウィノナ側の電話帳に入ってる人だけにアドレスの変更を伝えてあった。
それでもメールは届いたから犯人は少なくとも僕も顔が分かるくらいの親しい人物ではないかって考えたんだ。信じたくはなかったけどね。

或いは自己顕示なのか、特定されるリスクを無視できる程の恨みを持っている人物か、その全てか
何れにしても特定は容易いように思われたんだ。
194 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:41:29 ID:rBxtmIDi.net
翌日火曜日、例のメールの一通目はこの日は放課後だった。

丁度ボーカルのあゆちゃんがB***h面でウィノナだいじょぶなのー?と訊いてきた瞬間だったことをよく覚えている。
僕はぶっきらぼうに頷くだけだった。
正直、親しくしていた人間の中だったらアユが最も怪しいと睨んでいた。
この時彼女は携帯をいじる素振りはしていなかったから、彼女も容疑者から外れた。

よく男にふられたとかで感情の起伏が激しいやつだったからそんな腹いせが同期かもとか邪推してたんだよね。

その後アユちゃんは後輩の男子高校生の漕ぐ自転車の後ろにまたがり帰っていった。
195 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 00:42:18 ID:rBxtmIDi.net
そうすると、僕の知る限り親しい人間の中ではマンドリル以外が容疑者リストから外れてしまった。
ウィノナの携帯の受信履歴を見る限り連絡を取り合うような間柄の人間はそんなに多くない。

マンドリルのキャリアはドコモだった。

ここで一つの疑問にぶち当たった。
202 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:09:51 ID:rBxtmIDi.net
1日3回のアドレス変更制限があると言うことは

元のアドレスから嫌がらせ用のアドレスに変更して更にそれを元に戻す

これだけで2回制限を消費することになる。3回送ろうとするならば2回目から3回目のアドレスに変更するとき元のアドレスを経由しない。

それに気づいた夕暮れ時、この日2通目の例のメールが来た。
203 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:12:17 ID:rBxtmIDi.net
僕は急いで怪しいと思われるすべての人間にメールを送信することにした。

当時、チェーンメールなんてものが流行ったことがあった。不幸の手紙の類や鉄腕ダッシュの企画として一通のメールがどれだけ拡散するかの調査ですみたいな内容の類。

以前受信したチェーンメールの内容を改変して、電話帳内すべての人間に送信しなければいけないと言う文言を追加して各人に送信した。
電話帳内すべてに送信ってのは無理があったけど、もしかしたらあとであいつアドレス変わってたぜなんて情報があわよくば入ってくるかもくらいの気持ちだったんだね。

仮に僕から送信できないアドレスがあればそいつが犯人の可能性が高い。そう思った。
一度犯人から外した人間も含めて送信。宛先は100人は超えていた。
204 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:12:57 ID:rBxtmIDi.net
僕の期待とは裏腹に全員にメールは届いてしまった。
もちろんマンドリルにもだ。

そもそも当時は携帯メールは高校生たちのライフラインみたいなものだ。
そう何日も違うアドレスには出来やしない。

或いは犯人は携帯を2台持っているのか…?
205 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:14:03 ID:rBxtmIDi.net
携帯をウィノナの家へ返しに行ってついでに携帯を2台持っている人物に心当たりはないかを訊いた。

当時は高校生が2台も携帯を持っていることはまず無かった。あり得るとすればPHSとの2台持ち。
だが僕にもウィノナにもそんなことをする必要のある人間は思い当たらなかった。
そもそもウィノナは更に生気を無くし、ベッドから出てくることもなかった。
210 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:32:56 ID:rBxtmIDi.net
水曜日
もはや何をしていいかも分からなくなってしまった。
すべて振り出しか、はじめから意味がなかったのか。

この日も丁寧に3通、3通目は日の変わる丁度直前にメールが来たそうだ。
やはり警察に頼るしかないのか。
気乗りがしなかったが、路頭に迷ってしまった。
211 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:34:36 ID:rBxtmIDi.net
木曜日
軽音楽部の面々がウィノナの御見舞に行くと言い出した。
家までの道のりがしっかりわかんないからあんた案内しなさいよと、マンドリルは僕に言う。

少々まずい。
ウィノナはこの件を隠したがっていたからだ。

授業の資料なんかは俺が届けるしまだ体調が優れないから来週にしたら?などと提案をしてももはや言うことを聞いてはくれなかった。

アユ、マンドリル、サユミちゃん、暇だから行くと言い出したゲイの石原がお見舞希望メンバーだった。
212 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:37:11 ID:rBxtmIDi.net
ウィノナは電話に出ない。

ウィノナが会えないと言ったら或いは電話が繋がらなかったら帰るという前提で彼女らをウィノナの家まで案内することにした。
路線バスでの移動だ。
たまたま下校で乗り合わせたレナちゃんも同行したいと言う。
同じ中学出身だから家も近く、ウィノナ宅は大きな公園を挟んですぐとのことだった。
213 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:37:53 ID:rBxtmIDi.net
ウィノナ宅の呼び鈴を鳴らしても誰も出ない。
妹はおそらく塾で母親は仕事だ。
ウィノナは連絡を取り合う気力もなかったのだろうが、お見舞い組には昨日よく眠れなかったらしいから寝てるかもしれないと伝えた。
よく眠れていないのは昨日だけど事ではないのだが…
214 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:44:19 ID:rBxtmIDi.net
その間、自然な流れでレナちゃん宅にお邪魔することになった。歩いてものの3分だ。
結構立派な和風の家だ。
山本とちょっと見ない感じの楷書体の表札が目についた。
ゲイの石原は旅館かと思ったなどと宣ったが、気持ちは分からなくもなかった。

結構な人数のお見舞い組だったが全員が大手を振って寛いでも余裕のある大きな部屋がレナちゃんの部屋だった。
壁は和風なのに部屋一面におもちゃ箱をぶち撒けたようにキャラクターもののアイテムが配置してあった。

一番印象的だったのはラナバウツのポスター。あれだ、男の子が使う給食袋なんかに描かれていた丸っこいパトカーとか飛行機のキャラクターだ。いや、キャラクターというか顔はないんだけどさ。
217 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:52:09 ID:rBxtmIDi.net
兎に角そのポスターが浮いていたのだが、レナちゃんの不思議系のキャラクターがあってこそ、その違和感に猛烈な説得力がもたらされていたことが印象的だった。

レナちゃんの母親がお菓子と飲み物を持ってきてくれた。
レナちゃんのコップだけケロケロケロッピのキャラクターものだった。

足りなかったわけでもないだろうに、お母さんも不思議な方だなと思った。
きっとお見舞い組全員が思っただろう。
218 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:53:39 ID:rBxtmIDi.net
こんな状況で、丸机を囲みながら僕は結構な窮地であった。

ウィノナって結局風邪なの?
こんな他愛のない質問にもなかなか答えられない。

僕はウィノナに現状と早く電話に出てほしい旨をメールで送っていた。

うん、多分風邪だよなんてお茶を濁していたら僕の携帯が鳴った。
ウィノナからのメールだった。
219 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 01:55:39 ID:rBxtmIDi.net
“勝手なことをしないで。会いたくないよ。あなたにも。帰って欲しい。”

こんな内容だった。
僕は落胆を隠しつつ
「ダメだ、熱がすごいからうつしちゃいそうだし会わない方がいいって。申し訳ないけど今日は飯でも食って帰ろうか」とお見舞組に伝えた。
彼女ら(1名ゲイだけど)はすごく心配そうな様子で、僕の目には間違いなく完全なる善良な友人たちにしか見えなかった。

レナちゃんの母親にお礼を告げサイゼリヤでご飯を食べて帰ることにした。時刻は19時くらいだったかな。会話はそれほど盛り上がらなかったような気がする。あまり思い出せないのは多分すごく気を使って話をしていたからかな。

マンドリルと僕は帰る方向が同じでみんなと別れた後も帰路につきながらいろいろな話をした。
飯田と喧嘩したとかくだらないことだったと思う。
222 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:08:43 ID:rBxtmIDi.net
すっかりおセンチマンドリルだなと思っていたら急に神妙な面持ちをして僕に詰め寄ってきた。

「何かあったの…? あんた最近落ち着きないよ。ウィノナのことでしょ?風邪よりもひどい病気かなにか?」

なかなか鋭い。野生の勘だろうか。

僕は
「いや、病気じゃないから心配すんな」と答えたんだけど、これがかなり迂闊だった。

「病気じゃないなら何よ!?」

野生の気迫に押されて彼女には何も知らないふりをしてくれと言う約束の上で、経緯を話したんだ。一度行ったことのある喫茶店で話をした。もう営業時間はギリギリだった気がする。
223 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:09:41 ID:rBxtmIDi.net
話を聞く間、マンドリルはずっと怒った顔をしていた。ちなみに僕は心の中でマンドリルと読んでいたが、彼女は公にオコリザルと呼ばれていたことがあった。普通の女子なら怒るだろうところを平然としていたし、僕は度量のでかいサルだと感心したことがあった。


怒りの対象はメールの犯人だ。

相槌なのか怒りの鼻息なのか判然としないがずっと彼女はフンッフンッと言っていた。
さっきサイゼリヤでデザートを食べたのにコーヒーフロートを飲んでいた。
224 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:18:06 ID:rBxtmIDi.net
珍しく口数の少なかった彼女が発したのは「私も協力する」「ウィノナには彼女が話してくれるまで黙っておく」「飯田があんたのこと心配してたから飯田には話してあげて欲しい」

僕は正直、一人で抱えなくて済むんだったらと彼女の提案を歓迎した。

最後に全部聞いた上でマンドリルが怪しいと思う人物は居るか?と確認したが全く見当がつかないとのこと。

実際、携帯を2台持っている人物は学年で6人把握していて、その全てが男女カップルの通話料定額プランのウィルコムだという。
マンドリルも飯田と夜いちゃいちゃと長電話をする為に欲しいから色々話を聞いて回ったから、知っているとのことだったがマンドリルの情報網には本当に凄かった。

マンドリル曰くウィルコムのPHSもメール機能は一応あったがそれをメインの連絡先として使っている人間は知らないとのこと。
携帯2台持ちの可能性もだいぶと薄くなった。
225 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:25:40 ID:rBxtmIDi.net
マンドリルに協力をお願いすることにした。

マンドリル「犯人探しも大事だしウィノナも心配だけどさ。私はあんたが心配。現に顔色悪いよ?」
僕「そうだな。誰かに話すだけでこんなに楽になるんだな。」
マンドリル「だったら何でも話なよ。あんたの恥ずかしいとこはさんざん見てきたわけだし」

飯田はいい彼女を作ったなとしんみり思った。

飯田にはいずれ俺から相談するとも伝えて解散した。

その後何度もウィノナに連絡を試みたが一度もつながることはなかった。

僕は一睡もすることができなかった。
226 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:28:31 ID:rBxtmIDi.net
金曜日を迎えた。

女性というのは往々にして勘が良いのだろうか。
母親は朝食を出しながら顔色が悪いと心配してきた。2日連続顔色を指摘されるとは、多分だいぶやばい色だったんだろう。

僕は何でもないよと応えて、今日は友人の家に外泊することを告げた。
勿論ウィノナと一晩一緒にいる為の嘘である。

母親は顔全面に今にも察してますよと言い出しそうなしたり顔を貼り付けながら着替えを紙袋に詰め込んでくれた。
227 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:47:37 ID:rBxtmIDi.net
お昼休みに飯田を呼び出して昨日の経緯を話した。

春の陽気が心地良い屋上で飯田はお弁当をもぐもぐ頬張りながら聞いてくれた。僕の心はかなり曇天だったけどね。
「俺とマンドリルは何があってもお前の味方やで。俺に関して言えば、困ってるお前を見てられへん。でも人を恨んでも何もええことあれへんからな。人恨むくらいなら俺に愚痴せぇよ」
こんな事を言ってくれた。
つくづく漢らしい奴だ。
この二人にはすごく助けられた。
色々端折っちゃうけど友人の前でガチで泣いたのはこの二人の前だけだ。タイミングを見つけては話を聞いて、すぐ傍にいてくれたんだ。

放課後からお昼の快晴が嘘のような土砂降りになった。
228 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:48:26 ID:rBxtmIDi.net
昨日のメール以来、一度もウィノナとは連絡が繋がらなかったが、取り敢えず家に行けば会えるだろうと授業が終わった瞬間に駆け出した。

彼女宅の呼び鈴を鳴らすと出てきたのは母親だった。
ちょっとリビングに上がってもらえる?
そんなことを言われて少し違和感を覚えた。


口をついて出たのはウィノナは大丈夫ですか?の一言

母親の顔は曇っていた。
229 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:49:03 ID:rBxtmIDi.net
母親曰くは、今朝口論になったとのこと。
昨日、友人たちが折角お見舞いに来たのに断ったこと。一週間も連続で学校を休んだことを揶揄したらしい。
僕は母親を責めたかったが、ただのメールなんかに屈してはそれこそ犯人の思う壺だと言う母親の意思も分からなくはなかった。

その口論でウィノナは家族にすら分かってもらえないと嘆きながら家を飛び出したそうだ。

母親もこの状況に疲れを隠せない様子だった。
僕の知らない間でウィノナは母親にきつく当たったりもしたのだろう。
231 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 02:56:18 ID:rBxtmIDi.net
現状、父親が仕事終わりに車で探し回っているらしい。
僕にも心当たりの場所はなかったが、いても立ってもいられず探してきますと言い残し家を飛び出した。

僕は昨日から連絡が繋がらなかったからか。それとも彼女が以前割りと簡単にタヒという言葉を使ったからか、頭からは彼女の自タヒのイメージが離れなくなっていた。
今となっては人はそんなに簡単にタヒねないのだろうと分かる。そもそも本当に自サツする人は唐突だ。タヒにたいなんて言わない。言えないからタヒぬんだ。そう実感したのは大切な友人を一人自サツでなくしたから。でもこれは本件とは関係のない話だから置いておく。
まぁ兎に角、さっきの下りでもあったけど人に話すことは大切だし、人に聞いてもらえること、話したいと思える友人がいること、それはとても大切なことだ。
話がそれてしまってすまない。

兎に角、その時の僕にとっては彼女のタヒはとてもリアルなものに感じられた。人間の脆さ、危うさを目の当たりにしていたからなんだろうね。

目につく飛び降りられそうな建物に登っては調べる無為な行為をしているうちに僕の携帯が鳴った。
ウィノナからの電話だった。
233 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:02:15 ID:rBxtmIDi.net
「私もうタヒぬね。人にこんなに恨まれて耐えられないや。」

嫌な予感が的中した。
慌てるという言葉では形容できない心情、心臓が焼けてしまうんじゃないかってくらいの鼓動、何か言葉を発せねばと思っても喉がぴったりと閉じて喘ぎに近い何かしか出てこなかった。
かなわない相手に対峙した時のベジータみたいな反応をしていたと思う。

「お母さんにもそんなにタヒにたいならタヒねばいいじゃないって言われたよ。じゃあね。」

それは知らない事実だった。
勿論僕には言えなかっただろう。
いくら衝動的とは言え、実の娘にタヒねと言っただなんてね。

彼女は少し声を震わせながら電話を切った。
僕もどうしていいか分からず、土砂降りの雨の中、ただひたすらに泣きながら血眼で無作為に走り回った。

時間は必要だと思う時ほど一瞬で過ぎ去る。
何も出来ぬまま夜の23時を向かえた。
234 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:05:00 ID:K9kcKCwo.net
ワクワクドキドキで寝れないや
238 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:11:47 ID:rBxtmIDi.net
>>234
そうだね。僕もこうして書いていると当時のことが思い出されてなかなか眠れません。
特にタヒについての具体的なイメージは今でもはっきりと思い出せます。
235 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:05:51 ID:rVCzVabE.net
親方ー空から女の子がー
239 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:14:42 ID:rBxtmIDi.net
>>235
そうだね。
ほんとにそんな状況になると思ってたよ。
たまたま住宅街が近くに見えて、そのどれかの屋上に人影があるんじゃないかってね。
空ほど高くもないしね
236 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:06:38 ID:rVCzVabE.net
>>1
一気に書かなくても着かれたら休憩挟めよー
240 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:16:45 ID:rBxtmIDi.net
>>236
うん。
せっかく自分でもこんな風に思い出して書いて、反応までもらえて、眠いからって適当に書いちゃうつもりはないよ。
実際ちょっと眠くなってきた。
237 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:10:08 ID:rBxtmIDi.net
何も言えなかった。
そんな不甲斐なさ。
もしこのまま彼女がタヒんでしまったなら…

僕が何も言えなかったせいで彼女はタヒぬのか?
そんなネガティブな自問自答。

並行してもしタヒぬなら自分ならどうタヒぬのかも考えた。
首吊り、飛び降り、刃物

真っ暗な空を見上げるたび、息を切らして目を閉じるたび彼女がそれぞれの方法でタヒんでいくイメージが克明に再生された。

今でもたまに夢に見るくらいの強烈な負のイメージ
241 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:25:03 ID:rBxtmIDi.net
彼女の母親からは何度か連絡があり、父親がまだ彼女を見つけられていないことを聞いた。
僕もまた母親がウィノナに言ったタヒになさいという言葉には思うことがあって、半ば喧嘩腰で話をした。母親はウィノナがタヒぬと軽々しく口にすることや被害者とは言え人を巻き込むことに憤っていたが反省はしているようだった。

ただ1日3通だけのメールが一週間。それだけでウィノナ、彼女の家族、僕の心は限界まですり減っていたんだ。
人によっては何ともないのかもしれないね。ウィノナにとっては耐え難いことだったんだろう。彼女の中で増幅された負のイメージがそれに関わる人間まで壊そうとしていたのかも知れない。

僕は母親に警察に連絡してくれと懇願した。
242 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:32:28 ID:PHkwI9iL.net
>>131
そこを何とか。
178なら110くらいあっていいのです。
244 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:40:32 ID:rBxtmIDi.net
>>242
んまぁ110は無いですよ
むしろ僕はそんなに体重に拘る理由を聞かせて頂きたいwww
243 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:34:15 ID:rVCzVabE.net
>>242
183の105キロのワイなんかどや
245 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:42:08 ID:rBxtmIDi.net
>>243
180超えると何でも許せちゃうよね
僕もそれくらい欲しかったな
247 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:48:29 ID:PHkwI9iL.net
>>244
デブ専だからです
すいません
249 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:56:35 ID:rBxtmIDi.net
>>247
なるほど!!
僕も今となっては人から言わせたらデブにはなると思います。
体重はご期待に答えられる数値ではないですがね。
248 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 03:52:21 ID:rBxtmIDi.net
体力も精神も限界だった。

ウィノナ宅の近くの公園に戻ってきた僕はベンチに寝そべった。星も見えない宙を仰ぐように。


そんな時に僕の携帯が鳴った。
ウィノナからだった。
ほんの少しの安堵と呼応するように雨はやみつつあった。
250 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:00:16 ID:rBxtmIDi.net
タヒんでなかったってだけでもその瞬間にとっての僕には救いだった。
イメージの暴走が止められなくなっていたから。

僕が口を開くその前に彼女が話した。

「やっと踏ん切りがつきました。今までありがとう。」

おい!!と叫んだその瞬間には電話は切れていた。

電話口に波の音が聞こえた気がして僕は以前彼女と初めてキスをした海岸まで走った。
家から徒歩圏内の海ならあそこしかない。
ここからだと大凡15分くらいの距離だった。
251 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:04:07 ID:rBxtmIDi.net
僕はウィノナの母親に電話をした。
多分何を言っているか分からなかったと思う。
息も切れているし、言葉も出てこない。
ウィノナがタヒんでしまう、そんな意味合いの言葉を叫び続けていたと思う。

今その状況を文字に起こすと、まるで小学校の教科書に出てきたもちもちの木みたいだね。あれはじいさんがタヒんでしまうって叫びながら走る話だったと思うけど、まぁ似たようなもんだ。
253 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:05:40 ID:rBxtmIDi.net
浜辺に到着した。

相変わらずぼんやりとした街灯だけがその灰色の海辺を照らしていた。
波打ち際には明かりはなく、殆ど何も見えはしなかったが、何かにすがる思いで堤防から浜に降り立ちそのまま海岸線まで走ってみたんだ。

目を凝らして海を見ると腰くらいの高さまで海水に使ったウィノナを見つけた。

僕はもはや意味も成さない言葉の羅列を叫びながら海の中へ走った。

彼女も取り乱した様子で逃げ出した。
客観的に見るととてもシュールな情景だったと思われるが、本人たちは至って本気だったんだ。
256 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:08:45 ID:rBxtmIDi.net
急に深くなったのか、足を取られたのか彼女が水面に消えた。
よく見えなかったがきっと溺れていた。
手足を振り乱してバシャバシャと水しぶきを上げていたように思う。

やっとのことで追いついたが、僕は割りと身長は高いのでまだ足はつく程度の深さだった。

暴れてタヒなせて、こ○してなどと叫び続ける彼女を羽交い締めにして岸まで連れ戻した。
258 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:16:28 ID:rBxtmIDi.net
彼女は過呼吸に陥っていた。
いくらか海水を飲んだのか、ゲプゲプ言いながら口から水を吐き出したりしていた。背中を叩いて一頻り水を吐かせたら
堤防の一番下の段にとりあえず寝かせて落ち着くのを待った。以前も一度、彼女は過呼吸になったことがあったのでそれでタヒにはしないことは知っていたけど、見ていられないほどに苦しそうだった。実際多分タヒぬほどの苦しみだったんだろう。

限りなく白に近い肌色。
ちょうど明かりが白色灯だったから余計にそう見えたのかもしれない。
それまでに何度か出た葬式で見たタヒ体ですらこんな色はしていなかったと思った。


彼女が制服を着ているところを見ると、母親の意思に応えて一生懸命学校に行こうとしたのだろうと想像した。
彼女の母親に電話して迎えに来てもらうことにした。
259 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:19:52 ID:rBxtmIDi.net
収まりつつある過呼吸の彼女を眺めていた。頭に海藻が付いていた。結構大きめだ。
いつぞや、視聴覚準備室で汗かいて髪がわかめみたいになっていたなぁと思い出した。
あの時は可愛いと思ったが、この薄明かりの中の彼女は正直磯の臭いにまみれていて流石に魅力的には見えなかった。
寧ろ、タヒのイメージ、タヒ体のイメージ、腐敗のイメージ
大好きな人がまるで目の前で腐っていってしまうような錯覚を覚えていた。


それに追い打ちをかけるように、体勢が苦しそうだったので彼女の体を動かすと背中の下から大量のフナムシが登場した。

現実は必ずドラマのようにはいかないことをこの時初めて知った。
262 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:27:40 ID:rBxtmIDi.net
虚ろな瞳で浅い息を繰り返す彼女を目の前に僕は両手をついて泣いていた。
ドラマみたいに抱きしめたり、愛してるとか叫んだり、何かしら励ましたりそういう事をする気持ちはまるで起きない。

タヒななかったとは言え、まるでこのまま彼女が別の物に変わっていってしまうかもしれないっていう恐怖。
もう二度とこの子は笑うことはないかもしれない、そう思った。
もしそうならば僕は結局、彼女を失ったのも同じだから。
264 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:30:56 ID:rBxtmIDi.net
彼女野過呼吸がちょうどぴたりと収まった頃、彼女の父親の車のヘッドライトが僕達を照らした。

いつも出張で居なかった父親とちゃんと話をしたのはこれが初めてのタイミングだった。
とても線の細い、頼りのない父親に見えた。
父親は僕にひとしきりお礼と謝罪を繰り返しながらひとまず家に戻りましょうと提案した。
266 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:36:10 ID:rBxtmIDi.net
先に僕がシャワーを借り今朝僕の母が用意したお泊り用の服に着替えた。
といってもそれも雨でぐっしょり濡れていたんだけど、彼女の父親の服は僕には小さすぎたからね。

お風呂場から急いで戻るとリビングでは家族会議が行われていた。
ざっと汚れだけを落としてパジャマに着替えさせられた彼女はソファに仰向けで寝かされていた。ハッキリと目を見開いて天井の何処か一点を見つめたいた。一種の興奮状態からまだ冷めていなかったのかもしれない。
仰向けの彼女とソファに向けて置いた食卓用の高い背もたれのイスに座った家族の風景がシュールだった。
棺桶に入れられたタヒ体でも眺めてるみたいな構図だなと思ったんだ。

彼女に対して本当にごめんなさいと謝る母親の目がタヒんだ魚の目のようだったことが印象的だった。

ウィノナがお風呂に半ば無理やり入れられた後、ウィノナの家族とはいろいろな話をした。
268 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:45:38 ID:rBxtmIDi.net
その殆どが謝罪だった。

僕は自分で言うのもなんだけど結構温厚なタイプなんだよね。
勿論彼女の家族たちも僕が怒るところなんて見たことがなかったんだ。
話が僕に対することばかりで、娘の心配をしていないように思えてついにキレてしまったんだ。
「いい加減にしろよ。ウィノナは明日にでもタヒぬかも知れないんだ。少なくともタヒぬほど辛い思いをして、タヒぬ気で助けを求めてる。警察に連絡するでもなんでもいいからすぐにこの状況をなんとかしたらどうなんですか。」
徐々に言い過ぎたトーンダウンしてと思って最後に
「…すいません」
と付け加えた。


父親は僕の剣幕に気圧されたのか同意をしたが母親はまだ世間体やらなにやらを気にしている様子だった。
妹は頼りない家族で本当にごめんなさいと僕に耳打ちをして来た。
僕は妹に何かあったら連絡をくれとメールアドレスを手書きで書いて渡しておいた。

お風呂からウィノナが上がってきた頃には午前2時を過ぎていた。
269 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 04:53:00 ID:rBxtmIDi.net
彼女は持ち物と靴は律儀に堤防に置きっぱなしだったらしく水没して使えなくなったものは無かった。飛び降り自サツも靴とか置いてあるよね。あれなんでなんだろう。

あとで回収して分かったんだけどカッターナイフなんかも持ち出していた。
本当にタヒにたかったのか、助けを求めていたのかは分からない。多分本人もわからかい。
でも意志の有無はともあれ実際夜中の海に着衣で入って行ったら多分見つかんなかったらタヒぬ。それは自分が目で見たからわかる。
言い方は変かもしれないけど、不幸なことに適切な自サツ方法の一つではあったんだ。
そういう意味ではボロボロになりながらなんとか彼女を見つけた当時の自分を褒めてやりたい。

僕も携帯だけは浜に放り投げていたので水没は免れていた。
270 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 05:01:36 ID:rBxtmIDi.net
ウィノナはなかなか浴室から出てこなかった。妹に連れ戻してもらう。

ウィノナと僕、家族は会話を試みたが彼女は上の空でただごめんなさいとだけ繰り返した。
このごめんなさいが何に対するごめんなさいなのかは全くわからなかった。
心配をかけてごめんなさい。
心が弱くてごめんなさい。
タヒねなくてごめんなさい。
生まれてきてごめんなさい。
“ごめんなさい”にどんな言葉をつけても彼女の心情そのもののように思えたんだ。
きっとその全ての“ごめんなさい”が混在してそれしか言えなかっただろう。

取り敢えず妹とウィノナは2階の妹の部屋で、僕はウィノナのベッドを借りることにした。

睡眠不足と体力の消耗で体はもう動かないくらいだったがいくら目を瞑っても眠ることはできなかった。色々なことがありすぎた。

1階からはウィノナの両親が口論しているのがはっきりと聞こえたいた。

急いでシャワーを浴びたからかまだ僕からはほんのりと磯の臭いがしていた。
271 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 05:08:28 ID:rBxtmIDi.net
時間も5時を過ぎたので少し眠ります。
今日も一応予定があるので、日中はそんなにたくさんかけないかもしれません。
でも今日中には終わりにします。

脈略のない冗長な文章だというのに
反応がもらえてとても嬉しいです。

どうしても書き留めておきたくて、これは自分のエゴだけど少し人に吐き出したくてここに書かせてもらってます。
全体を考えずに書き出したので分かりにくい部分もあったと思います。
興味を持ってもらえるのであれば可能な限り答えますので書き込んでおいてもらえればなお嬉しいです。

またすぐに戻ります。
273 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 07:43:35 ID:1KPNi2Xb.net
期待してます
277 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/ 2017/07/02(日) 10:21:48 ID:/+J3a8f8.net
待ってるよ
引用元:http://hayabusa3.2ch.sc/test/read.cgi/news4viptasu/1498869073


1001: 以下、管理人が読んで面白かった記事です。: 2017年7月23日 10:49 ID:shurabahoka

注目の記事記事

他サイト人気記事

コメント一覧